2017年5月27日 更新

童心に返れる夏の物語。大人が初夏に読みたい本5選

ふだんは仕事で会社と自宅を往復という日常でも、静かな夜のひとときや休日の午後には腰を落ち着けてゆっくりと読書を楽しみたいもの。 インターネットに大量の情報があふれている今だからこそ、一つ一つの言葉をかみしめるように、たまにはアナログの世界に身を置いて、珠玉の言葉に触れてみませんか? そこで今回は子どもの心にワープできる、大人が初夏に読みたい本をご紹介したいと思います。

・少女から大人になる一瞬が描かれた一冊。恩田 陸「蛇行する川のほとり」

〜夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために「合宿」を始めた少女たち。

だが、少女たちは気づかなかった、運命の歯車が回り始めたことを〜

何気ない日常をこまやかなタッチで描き、一瞬一瞬の時の移ろいが繊細に心に響く本作は、

ミステリーの名手・恩田陸によって、まるで最後の最後までドキドキハラハラさせられるようなストーリー展開で、

感性を刺激させられるような気分に。

全体としては一貫してクールな視点が貫かれているので、夏に読むにはぴったり。

自分の少女時代の記憶がふとよみがえって、

これからの人生で大切にしていきたいものを改めて思い起こさせてくれそうな一冊です。

・みずみずしい感性がキラリと光る。江國香織「なつのひかり」

〜「私」は来週21歳。ウェイトレスとバーの歌手という、2つのアルバイトをしている。

「年齢こそ三つちがうが双生児のような」兄がいて、

兄には、美しい妻と幼い娘、そして50代の愛人がいる…。

ある朝、逃げたやどかりを捜して隣の男の子がやって来たときから、奇妙な夏の日々が始まった〜

私と兄をめぐって現実と幻想が交錯する物語は、複雑な人間模様と心情をベースにしながらも、

どこかノルタルジックな雰囲気が漂い、子どもの頃夏休みの時期に味わった、

長くけだるい感覚がフラッシュバックしたかのような不思議な気分へと誘ってくれます。

やや重いテーマであるにもかかわらず、

吹き抜ける風のようにどこか爽やかな印象を残してくれるのは、

女流作家・江國香織の得意とするところ。

暑い夏でもサラサラと気楽にページをめくることができるのも、この本のもう一つの魅力といえそうです。

・時間の不思議な魔法にタイプトリッップ!ミヒャエル・エンデ「モモ」

〜時間に追われ,落ち着きを失って,人間本来の生き方を忘れてしまった現代の人々.

人間たちから時間を奪っているのは,実は時間どろぼうの一味のしわざなのだ…。

この一味から時間をとりもどし人生のよろこびを回復させたのは、

どこからか突然あらわれた無口な少女だった〜

「モモ」は世界的にも有名なドイツの児童文学作家、

ミヒャエル・エンデの名作なので子どもの頃に読んだことのある方も多いのでは?

しかし、こちらは昔ファンタジーとしか思えなかったような時間のトリックが、

少しだけ理解できた気持ちになれるかも!?

なので、ぜひ読み返してみることをおすすめしたいと思います。

すべての物事がスピーディーに進んでいく今の時代だからこそ、

時間の価値・時間の不思議について、何かしらヒントを与えてくれることになるでしょう。

・映画の原作にもなったベストセラー小説。湯本香樹実「夏の庭」

〜町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。

生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。

夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。

いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……〜

ひとり暮らしの老人と子どもたちとの奇妙な交流を描いた中編小説。

こちらは発表当時ベストセラーにもなった名作で、映画化されたことでも有名です。

死というものが間近に迫る老人を観察する子どもが何を感じ、何を見たのか?

また観察されていることに気づいた老人は、人生がまだ始まったばかりの子どもに何を感じ、何を見たのか?

物語ならではの不思議な設定でストーリーは淡々と進んでいくものの、

思わず目頭が熱くなるような場面がときどき不意に飛び出して、心に奥深く迫ってくるようです。

・初恋の記憶が鮮烈によみがえる。村上由佳「天使の卵」

〜そのひとの横顔はあまりにも清洌で、凛としたたたずまいに満ちていた。

19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。

高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持はあったが、

“僕”の心はもう誰にも止められない〜

第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。

みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛した、

村上由佳のデビュー作にして驚異的な売上げを記録した傑作。

初恋の切なさや甘い記憶が今にも蘇ってきそうな本作は、今恋をしている人にも、

またこれから大切にあたためたい恋がある人にもおすすめ。

とくに日頃頭で考えてばかりの女子は、フレッシュな記憶を取り戻すことで、新たな視点を手に入れてみて。

まとめ

 (27914)

今回は夏におすすめの本をご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

ピックアップしたものは比較的すらすらと読み進められるものばかりなので、普段なかなか本を読まないという方にもおすすめです。

ぜひ初夏の昼下りの休日、美しい日本語の世界とみずみずしい感性にどっぷりと浸かってみてくださいね。
airCloset
4,980円コース

関連する記事 こんな記事も人気です♪

気持ち良い風に吹かれながら…この春読みたいおすすめの本10選

気持ち良い風に吹かれながら…この春読みたいおすすめの本10選

季節の変わり目であり新生活のスタートを迎える春は、新しいことにチャレンジするには、まさにうってつけの時期! ずっとやってみたかった習い事や興味のある分野の勉強を始めてみるなど「これまでにはない新たなアクションを起こしてみよう」と、多くの方が考えていらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は好奇心旺盛で何か新しいことを始めたい!という女子たちに、思い立ったらすぐにでもアクションを起こせる、「読書」のご提案です。 「読書といえば秋」という方も多いかもしれませんが、新しい知識を吸収したり未知の世界の扉を開くという意味で、春は読書に最適の季節でもあります。 そこで今回は、この春読みたいおすすめの本を10冊ご紹介したいと思います。
Risa |
絶対に喜ばれる【差し入れ】7選♡これであなたも【差し入れ】美人!

絶対に喜ばれる【差し入れ】7選♡これであなたも【差し入れ】美人!

いつもお世話になっている職場やママ友。日ごろからきちんと感謝の気持ちを伝えていますか?そんな周りの人に喜んでもらえる差し入れを紹介します。差し入れすることで、あなた自身も差し入れ美人になれるはず♡喜ばれる差し入れ7選をご紹介します!
Nemu |
【2018年最新】サブウェイの巻きずし版!?【アップロールカフェ】”がハワイで流行中!?

【2018年最新】サブウェイの巻きずし版!?【アップロールカフェ】”がハワイで流行中!?

どこまでも続く青い海と空、さんさんと降り注ぐ太陽に豊かな大自然—。 その大らかでやさしい大地のオーラとエネルギーに包まれて、一度訪れたらすっかり虜になってしまう人たちも多い、ハワイ。そんな世界中から愛される魅惑の南国リゾートに、2015年オープンした「アップロールカフェ」をご存知でしょうか?実はこちらのお店、開店当初より一気に話題になり、オープンからやや時間の経った今でもいまだに多くの人々が訪れる人気店なのです! そこで今回は数あるハワイのお店でも注目の、「アップロールカフェ」の魅力についてご紹介したいと思います。
daisy |
【2018年海外旅行】サハラ砂漠で見る満天の星空の旅!モロッコのベストシーズンはいつ?

【2018年海外旅行】サハラ砂漠で見る満天の星空の旅!モロッコのベストシーズンはいつ?

海外旅行に世界遺産など秘境を訪れる方が増えているという近年。海外旅行の旅行先で行った方々が口を揃えて絶賛している【サハラ砂漠】をご存じですか?サハラ砂漠で見る満点の星空は、息を呑むほどの美しさ。かつて見たことの無い程のたくさんの星を砂漠に寝そべって見るという夢のような時間に、日々の疲れもきっと¥癒されることでしょう。そんなサハラ砂漠に行くならいつがいいのか、またモロッコおすすめのホテルもご紹介します!
sasa |
LEICA【ライカ】の一眼レフカメラはやっぱり凄かった!カメラ初心者の方に【ライカ】の魅力をご紹介します♡

LEICA【ライカ】の一眼レフカメラはやっぱり凄かった!カメラ初心者の方に【ライカ】の魅力をご紹介します♡

Instagramやカメラ女子のあいだで人気の一眼レフカメラ。やっぱりライカは憧れのブランド。なぜライカは人気があるのか、どんな魅力があるのか。おすすめの機種もあわせてライカの魅力をご紹介します。
daisy |

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

Emily Emily