2018年8月6日 更新

終了間近!GINZA SIXでも今話題の草間彌生。国立新美術館「わが永遠の魂」をもっと楽しむために。

GINZA SIX館内アートでも話題。今や日本が誇る前衛芸術家、ファッション界でも世界で活躍する天才アーティストの草間彌生。ドットやかぼちゃなど、カラフルな作品が親しまれているが、彼女の作品を生み出すエネルギーはどこからやってきているのだろうか?彼女の作品の裏には一体なにがあったのだろう?

わが永遠の魂 国立新美術館

 (21922)

 (21923)

 (21929)

 (21928)

国立新美術館にて現在開催中の個展では、合計約270点が展示されている。

初期のドローイングから現在の作品までが一挙に集い、草間の芸術人生の成り立ちから現在までを追体験できるまたとない機会となるだろう。

2009年から取り組む連作「わが永遠の魂」の130点。

一般に公開されるのは初の試みであり、その点でも見逃せない。

私も足を運んでみたが、平日でも大変混み合っており、特に目立っていたのは女性、外国人客の多さであった。

あなたもぜひ草間彌生の迫力を肌で感じてみてはいかがだろうか。
 (21930)

 (21931)

 (20522)

草間彌生さん最大級の個展 東京・六本木で

ルイヴィトン×草間彌生

 (22380)

 (22383)

ファッションの世界でも、彼女は活躍している。

自分が着たい服ではなく、沢山の人に着てもらいたいから服を作っていると彼女は言う。

ファッションを作り始めたのも10代のころだ。

アメリカ滞在中に描いたデッサンは、乳首や局部だけ穴が空いている服で、とてもユニークで話題となった。

このような局部が空いた草間のデザインする洋服が、ニューヨークで飛ぶように売れたという。

のちに、ルイヴィトンとのコラボレーションで世界的に草間彌生がファッションとしても有名になる。

草間彌生にとってアートとは何か

 (21934)

「私はこの水玉一つで立ち向かってやる。これに一切を賭けて、歴史に反旗をひるがえすつもりでいた」
「自分は死にものぐるいで、何千年も人々が心を打たれる芸術を作っていきたい」
「私自身ができることとしては、よりよい仕事をして、戦争だとか、テロだとかそういうものを超えてみなさんが平和な生活をすることを、芸術家として望んでいます。だからこそ、一生懸命絵を描いているのです。」
彼女の生き方は、私たちに生きる勇気をくれる。

そして彼女の作品は、個人の枠組みを超え、この世界全体のことを感じさせる。

彼女の作品を生み出すエネルギーは、一体どこからきているのだろうか?

草間彌生の生い立ち

 (20552)

彼女は長野県の松本市で生まれた。

裕福な家庭に生まれたが、望まれない誕生だったそうだ。

家庭環境はかなり複雑で、母からは虐待を受け、耐えた。

祖父や父は女癖が悪く、芸者遊びに狂っていた。

他の女たちと遊んでいる父に対し、それを我慢しなくてはいけない母、祖母。

女と男はこんな不平等でいいのか、と憤っていた幼少時代だった。

草間彌生の芸術と日本

 (20547)

彼女の芸術にとって、当時の日本は保守的かつ閉鎖的に思われたという。

狭く息苦しい日本から抜け出したいとずっと思い続けていた。

だから日本という国では現代美術が育ちにくいのだと、彼女は言う。

当時の日本は戦争のため英語を学ぶ機会はなかったが、小さい頃から「日本を出たい」というその強い思いが、当時困難であったアメリカへの移住を実現させたのだ。

そうして行ったアメリカで、彼女は自分の感覚を表現し、芸術家としての才能を開花させることとなる。

ニューヨークでの活動

・無限の網(インフィニティーネット)

 (20539)

草間がニューヨークに行ってから、経済的にかなり厳しい状態が続いていた。

ジョージア・オキーフは草間の経済的困難を食い止めるために、作品を購入したり、自身がディーラーとなって草間を助けた。

当時、絵を書き続けることが、草間にとって腹痛、空腹、寒さをしのぐ唯一の方法だった。

また、この時期ノイローゼやパニック障害にも悩まされたという。

彼女の目にはすべて網に見え、その網が体の中に入ってきた。

その恐怖によってできた作品が「インフィニティーネット」だ。

特に最近の作品はすべての不安や闇を乗り越え、鮮やかな色で自由に表現した作品に見える。

・恐怖との戦いから生まれるもの

 (20512)

人間に限らず生き物は一般に、恐怖から逃げるものだ。

だが彼女は恐怖から逃げるのではなく、それを表して一体化させ、克服する。

その時生み出したものが芸術となる。

28歳でニューヨークへ渡り、恐怖の対象である網や男根を表し、その作品が高い評価を受けることとなった。

彼女にとって男性器や水玉、網、マカロニが恐怖の対象だったため、これらを表した作品が多く存在する。

彼女は悲しいときも寂しいときも体の調子が悪いときも、絵を描いているとすべて治ってしまうと言っている。

これがまさしく「芸術と共に生きる」ということであろう。

幸せとは、笑っている時にのみ存在するものではない。

苦しくても寂しくても常にそこから救ってくれる存在がある。それは紛れもなく幸福なことだろう。

・クサマ・ハプニング

 (21920)

1967年ニューヨーク、「クサマ・ハプニング」で草間彌生は一躍有名になった。

水玉模様を身体に塗って屋外で、ヌードセックス、乱交をテーマにした過激なパフォーマンスを行った。

男女の性差の否定やセックスからの解放、ベトナム戦争に対する反対運動をかねた芸術だ。

これは単に過激さや新奇性だけを求めたパフォーマンスではなく、世界平和への訴えであった。

アメリカで大成功したこのクサマ・ハプニング。世界では話題となり、アメリカやヨーロッパでもクサマ・ハプニングの真似が始まった。
飢えが犯罪や戦争つながるように、セックスの抑制も、人間の本当の姿を押し曲げ、人間を戦争に駆りたてる遠因になっている。

・草間にとってのかぼちゃ

 (20541)

直島へ!大阪からの便利なアクセスやおすすめスポットとカフェ情報! (23380)

彼女の作品の中でもポピュラーなのは、かぼちゃのモチーフを扱ったものだ。

瀬戸内海に浮かぶ直島の海岸に佇むオブジェをご存知の方も多いだろう。

なぜかぼちゃにこだわるのか、それは幼少期に理由がある。

彼女は幼少期、かぼちゃの飾らないずんぐりむっくりした容姿、愛嬌のある形と精神力の強さに魅了され、それを描いた。

かぼちゃを抱きしめることによって彼女はいつも幻覚や恐怖が薄れ、落ち着くことができると言う。

彼女の作品群の中で、それは常に一際強い存在感を放っている。

草間彌生が出会った人物

ジョージア・オキーフ

 (20543)

 (20544)

彼女の地元、松本の古本屋で、20世紀のアメリカを代表する画家の一人である、ジョージア・オキーフの画集を見つける。

その画集との出会いがアメリカと草間をつなぐきっかけとなった。

草間はアメリカ大使館に自ら足を運び、オキーフの住所を探した。

そしてオキーフに自分の作品14点と、手紙を送ったのだ。

ほどなくして本人からの返信があり、草間はアメリカへ行くことを決心した。

オキーフは草間の才能を評価し、アメリカでの生活を支援した恩人なのだ。
あの時アメリカに行かなかったら今のわたしはなかった。

ジョセフ・コーネル

 (20508)

そうしてアメリカで出会った仲間の一人に、ジョセフ・コーネルがいる。

彼は、 アメリカのアーティストで、アッサンブラージュの先駆者の一人である。

コラージュや映画制作者とのコラボレーションに目覚め、前衛的な実験映画の制作者でもある。

しかしコーネルは草間に一目惚れし、長い求愛が続いた。

長い間、二人の関係は続き、コーネルは草間彌生に深く依存するようになった。

彼は彼女に電話を常にかけていた。

草間に誰も電話が通じないほどだった。

電話を切ってもすぐにかかってきてしまう。

彼女はそれに対し、作品に支障が出る危険性を感じ、次第に二人の関係は変化して行った。

彼に対して愛情はあった。

だがそれ以上に作品が常に草間には生きる手段であり、最優先事項であった。

彼女の心は次第にコーネルから離れていった。

草間彌生の強さ。人生をかけての作品を残したい、熱いエネルギー

 (20514)

彼女が一番欲しいものは「時間」だという。

残したい作品のアイディアが無限に湧き出てくる。

スタジオに行く時も時間が勿体無いと、走っているのだと言う。

彼女はいつも急いでいる。

残しきれない作品が彼女の頭の中には無限に詰まっているのだ。
「未来の多くの人々、世界の人々が戦争やテロの恐怖なく自分の愛、生きた人生を続けることを望む。芸術がみなさんに伝えるのはこれです。」
「まだ残さなければいけないことがある。まだまだ死ねない。」
「この生涯のすべてともいえる芸術の思想を読み取り、私からのメッセージを受け取ってほしい。そのとき、私の積年の努力が報われるのです。」

草間流、生きるということ

OTA FINE ARTS | TOKYO > ニュース一覧 > 草間彌生「IN INFINITY」Moderna Museet、ストックホルム (23391)

生きるということ。

人それぞれ生きにくさというものが存在する。悩みも感覚も人それぞれ。

彼女は不安神経症、強迫神経症、統合失調症という障害を患いながら今も絵を描き続けている。

彼女のエネルギーに満ちた作品群を、是非この機会にご覧になっていただきたい。
出典
[1] 草間彌生、『水玉の履歴書』、集英社新書 (2013)
[2] 草間彌生、『無限の網―草間彌生自伝―』、新潮 (2012)
[3] 「草間彌生 インタビュー」<http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/IVjzuHQDLY57eOqsfSyt> (2017/4/24)
[4] 「草間彌生氏「何千年も心打たれる芸術を作る」 文化勲章」<http://www.asahi.com/articles/ASJC14GFMJC1UTIL030.html> (2017/4/24)

関連する記事 こんな記事も人気です♪

2017年は都会にいながらリゾート気分♡wildbeach【ワイルドビーチ】新宿へ行こう!

2017年は都会にいながらリゾート気分♡wildbeach【ワイルドビーチ】新宿へ行こう!

BBQの定番!wild beachが新宿に登場♡ 都会にいながらリゾート気分が味わえる!!そんな今話題のスポットをご紹介いたします。
MASAE |
出来るオトナ女子の仕事用スマホケース。こんなデザインが欲しかった!

出来るオトナ女子の仕事用スマホケース。こんなデザインが欲しかった!

オトナ女子だからこそ、仕事用のスマホケースもおしゃれなものにしたいですよね。ブランド別に様々なスホマケースをご紹介しますので、参考にしてみてください。
sasa |
忙しい朝でもきちんと感が出る【時短メイク】テクニック♡【時短メイク】できちんとした身だしなみを♡

忙しい朝でもきちんと感が出る【時短メイク】テクニック♡【時短メイク】できちんとした身だしなみを♡

ママさんの朝はバタバタと忙しく、なかなかスキンケアやメイクができません。そんな朝でもきちんとした雰囲気のメイクが出来る【時短メイク】法をご紹介いたします。
Risa |
【極上スパ】でくつろぐ贅沢リラックスタイム♡都内のおすすめ【極上スパ】5選

【極上スパ】でくつろぐ贅沢リラックスタイム♡都内のおすすめ【極上スパ】5選

仕事やプライベートを頑張るのって、正直つらいときもありますよね。そんなちょっとお疲れの女性たちへのオススメは、スパでのリラックス!身体も心もほぐされる東京でおすすめのスパ5選をご紹介します。
Risa |
「緊縛とアート」世界中で話題のロープアーティストのイベント『C’5』がついに11月30日(金)開催

「緊縛とアート」世界中で話題のロープアーティストのイベント『C’5』がついに11月30日(金)開催

11月30日(金)に開催するC’5 vol.7は「緊縛とアート」をテーマに、ロンドン、パリ、ミュンヘンなど、世界をまたにかけて活躍するロープアーティストHajime Kinokoと彼と交流のある多数のアーティストをゲストに迎え、一夜限りのスペシャル・セッションを開催いたします。
mami |

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

Foxy Foxy
ライター募集