『5月3日〜5日』高さ12メートル、重さ20トン――能登/七尾の巨大曳山「でか山」

5月、石川県七尾市の街路に、高さ12メートル、重さ20トンの巨大な曳山が3基現れます。
「青柏祭(せいはくさい / Seihakusai)」は、大地主神社(山王神社)の春祭りで、能登地方で最も盛大な祭礼です。曳山のあまりの大きさから、地元では「でか山(でかやま / Dekayama)」と呼ばれています。「青柏祭の曳山行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つにも登録されました。

🏯 街路をきしませて進む巨体

でか山の車輪の直径は約2メートル。この巨大な車輪が狭い街路の路面をきしませながら進む音は、遠くからでも聞こえてきます。特に見どころとされるのが「辻回し」と呼ばれる方向転換です。20トンの曳山を、交差点で人力だけで90度回転させる。梃子と車輪の下に敷く丸太を使い、数十人がかりで少しずつ角度を変えていく作業は、力と技術と呼吸の一体が求められます。

曳山には歌舞伎の名場面を再現した人形が飾り付けられ、毎年演目が変わります。5月2日の夜には「人形見(にんぎょうみ)」と呼ばれる習わしがあり、曳山に飾る人形を各山町の祝事のあった家に飾ります。祭り本番に先立ち、町を歩きながら人形を見て回るのが地元の楽しみの一つです。

鑑賞のポイント

青柏祭を見るためのポイントです。

  • 日程と見どころ:2026年は5月3日〜5日の開催です。4日には大地主神社に3基が集結し、5日には能登食祭市場と仙対橋付近に勢ぞろいします。3基が並ぶ姿は圧巻で、撮影スポットとしても人気があります。辻回しは各日の巡行中に随所で見られます。
  • アクセス:JR七尾駅から徒歩圏内で祭りの主要エリアに行くことができます。金沢からJR七尾線で約1時間半。車の場合は能越自動車道・七尾ICから約10分ですが、祭り期間中は市街地に交通規制がかかります。
  • 屋台と食:祭り期間中は沿道に屋台が並びます。七尾は能登の港町でもあり、新鮮な海鮮を扱う飲食店も市街地に点在しています。能登食祭市場では地元の海産物を購入・飲食できます。
  • 能登半島地震との関連:2024年1月の能登半島地震は七尾市にも大きな被害をもたらしました。青柏祭は地域の復興の象徴としても注目されています。最新の開催状況は七尾市観光協会の公式サイトで確認できます。

🎎 五穀豊穣と「でか山」の名前

青柏祭の名前は、神前に供える料理を青い柏の葉に盛ったことに由来すると伝えられています。祭り自体は五穀豊穣を祈る春の祭礼で、能登で最も格式の高い祭りの一つです。

「でか山」の名前の通り、建物の3〜4階分に相当する曳山が住宅の軒先をかすめるようにして進む光景は、写真や映像では伝わりにくいスケール感があります。七尾の街並みは城下町の面影を残す狭い通りが多く、その狭さと曳山の巨大さのコントラストが、この祭り最大の迫力を生んでいます。金沢から日帰りで訪れることができるので、GW期間中に北陸を旅行する際の選択肢の一つになります。