5月14日から16日の3日間、島根県出雲市の出雲大社(いずもたいしゃ / Izumo Taisha)で、一年で最も重要な祭礼「大祭礼(たいさいれい / Taisairei)」が斎行されます。
出雲大社は、日本神話で「国譲り」の舞台となった神社であり、祭神の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)は縁結びの神として広く知られています。大祭礼は、その出雲大社の例大祭です。
⛩️ 勅使が参向する出雲の例大祭
大祭礼は3日間にわたって行われます。14日の例祭には、天皇の御使いである勅使が参向する「勅祭」として斎行されます。勅祭は全国でも限られた神社でしか行われない格式の高い祭祀で、出雲大社の大祭礼はその一つです。
15日には、出雲大社教の信者が全国から集まる「教祖祭」が行われ、16日の神輿渡御では神輿が大社周辺を巡行します。大社の背後にそびえる八雲山と、出雲平野に広がる田園風景を背景に神輿が進む光景は、出雲の土地柄を感じさせるものです。
出雲大社の本殿は「大社造(たいしゃづくり)」と呼ばれる日本最古の神社建築様式で、国宝に指定されています。高さ約24メートルの現在の本殿でも十分に巨大ですが、古代にはさらに高い建物であったとされ、2000年に境内から発掘された巨大な柱跡が、その伝承を裏づけました。
鑑賞のポイント
出雲大社の大祭礼を訪れる際のポイントです。
- 参拝作法の違い:日本の神社では「二拝二拍手一拝」が一般的な参拝作法ですが、出雲大社では「二拝四拍手一拝」です。柏手を4回打つのは出雲大社独自の作法で、大祭礼の期間中は参拝者が一斉に四拍手を打つ音が境内に響きます。
- 大注連縄(おおしめなわ):出雲大社の神楽殿にかけられた大注連縄は、長さ約13メートル、重さ約5.2トン。日本最大級の注連縄で、出雲大社を象徴する被写体の一つです。
- 神門通り:出雲大社の正門前から南に延びる神門通りには、出雲そばの店や土産物店が並びます。出雲そばは、三段の丸い漆器に盛る「割子そば」が特徴で、大祭礼の参拝と合わせて立ち寄る人が多い通りです。
- アクセス:出雲大社へは、出雲縁結び空港から直通バスで約25分、JR出雲市駅から一畑バスで約25分です。東京・大阪からは飛行機で出雲縁結び空港へ向かうのが最短ルートです。大祭礼期間中は参拝者が集中するため、周辺の駐車場は混雑します。
🐉 「神在月」の国の春祭り
出雲大社が最も注目を集めるのは、毎年旧暦10月の「神在祭(かみありさい)」です。全国の八百万の神々が出雲に集まるとされる行事で、出雲以外の地域では神が留守になるため旧暦10月を「神無月(かんなづき)」と呼ぶのに対し、出雲では「神在月(かみありづき)」と呼びます。神在祭の時期は全国から参拝者が押し寄せ、周辺の宿は数ヶ月前に満室になります。
5月の大祭礼は、神在祭ほどの混雑にはなりません。新緑の季節の出雲は気候も穏やかで、出雲大社を落ち着いて参拝するには適した時期です。出雲大社から車で約1時間の距離には、世界遺産の石見銀山や、日本海を望む日御碕(ひのみさき)灯台もあり、山陰地方を周遊する旅の拠点にもなります。