2026年7月26日(日)は「土用の丑の日(どようのうしのひ / Doyou no Ushi no Hi)」です。この日、日本中のうなぎ屋、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、牛丼チェーン店までもが「うなぎ」を前面に打ち出し、日本人はうなぎの蒲焼き(かばやき / Kabayaki)を食べます。年間のうなぎ消費量の約3割がこの時期に集中するとされています。
🗓️ 「土用の丑の日」とは何か
「土用」とは、四季の変わり目にあたる約18日間のことです。立春・立夏・立秋・立冬の直前にそれぞれ土用がありますが、現在「土用」と言えば夏の土用(立秋前の約18日間)を指すのが一般的です。2026年の立秋は8月7日頃のため、夏の土用は7月20日頃から8月6日頃までです。
「丑の日」は、十二支(じゅうにし=子・丑・寅・卯…)で数える日付の呼び方で、12日に1度巡ってきます。夏の土用の期間中に巡ってくる丑の日が「土用の丑の日」です。2026年は7月26日がこれにあたります。年によっては土用の期間中に丑の日が2回あり、2回目を「二の丑(にのうし)」と呼びます。
この日にうなぎを食べる習慣の起源として最も広く知られているのは、江戸時代の蘭学者・平賀源内(ひらがげんない / Hiraga Gennai)の逸話です。夏に客が来ないと嘆くうなぎ屋に頼まれた源内が「本日丑の日」と書いた看板を出すことを提案し、それが評判になったとされています。ただし、この逸話に確実な史料的裏付けはなく、「定説」ではあるものの「確定した事実」ではありません。
うなぎの体験ポイント
- 蒲焼きの食べ方:うなぎの蒲焼きは、開いたうなぎに甘辛いタレを塗りながら炭火で焼いたものです。ご飯の上に蒲焼きを乗せた「うな重(うなじゅう)」や「うな丼(うなどん)」が一般的な食べ方です。関東風は蒸してから焼くため柔らかく、関西風は蒸さずに直接焼くため皮が香ばしいという違いがあります。
- 価格:専門店のうな重は3,000円〜6,000円程度が一般的です。老舗では1万円を超えることもあります。スーパーマーケットでは蒲焼き1尾1,500円〜3,000円程度で販売されます。近年はうなぎの稚魚(シラスウナギ)の漁獲量減少により価格が上昇傾向にあります。
- うなぎの名産地:浜松(静岡県)、一色(愛知県西尾市)、柳川(福岡県)、成田(千葉県)などが産地として知られています。成田山新勝寺の参道にはうなぎ屋が軒を連ねており、成田祇園祭(7月10〜12日)と合わせて訪れることも可能です。
- 「丑の日」商戦:土用の丑の日は日本最大級の食品商戦の一つです。コンビニエンスストアでは事前予約制のうな重が販売され、スーパーマーケットの鮮魚売り場はうなぎ一色になります。この日の販売競争は、バレンタインデーのチョコレートや節分の恵方巻きと並ぶ規模です。
🐟 うなぎの資源問題
日本のうなぎ文化について触れる際、資源の問題を避けることはできません。ニホンウナギ(Anguilla japonica)は2014年に国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧IB類(EN)」に分類されました。天然うなぎの漁獲量は1960年代のピーク時から大幅に減少しており、現在日本で消費されるうなぎの大部分は養殖ものです。
近年は完全養殖(卵から成魚まで人工環境で育てる技術)の研究が進んでいますが、商業化には至っていません。うなぎの価格上昇を背景に、土用の丑の日に「うなぎ以外の”う”のつく食べ物を食べる」(梅干し、うどん、瓜など)という動きも出ています。
土用の丑の日に日本を訪れているなら、うなぎ屋で蒲焼きを食べてみてください。予約なしで入れる店もありますが、丑の日当日は行列ができることが多いため、前日や翌日に訪れるのも一つの方法です。「土用の丑の日」という暦に基づいた食文化は、日本人と暦の関わり方を端的に示す習慣です。