6月14日、大阪市住吉区の住吉大社で、田植えが神事として執り行われます。
「御田植神事(おたうえしんじ / Otaue Shinji)」は、住吉大社の境内にある御田(おんだ)で、古式に則って苗を手で植える神事です。国の重要無形民俗文化財に指定されています。
🌾 境内の田んぼで行われる田植え
住吉大社は、全国に約2,300社ある住吉神社の総本社で、創建は211年(神功皇后の時代)と伝えられています。航海安全の神として知られますが、農耕の神としての信仰も古くから持っています。
御田植神事は、住吉大社の第一本宮で祭典が行われたあと、境内の御田で田植えが始まります。田植えに先立ち、「風流武者(ふりゅうむしゃ)」と呼ばれる武者姿の行列、田植踊、住吉踊など、さまざまな芸能が奉納されます。
田植えそのものは、揃いの衣装を着た「替植女(かえうえめ)」と呼ばれる女性たちが行います。太鼓や歌に合わせて、横一列に並んだ替植女が一斉に苗を植えていく所作は、農作業でありながら、同時に神への奉納でもあります。
鑑賞のポイント
住吉大社の御田植神事を見るためのポイントです。
- 日程と時間:2026年は6月14日(日)の13時から行われます。祭典のあと、御田での田植えと芸能の奉納が続きます。全体で2〜3時間程度です。
- 芸能の奉納:田植えの前後に、武者行列、田植踊、住吉踊などが奉納されます。住吉踊は住吉大社に伝わる独自の踊りで、この神事の日に見ることができます。
- 御田の位置:御田は住吉大社の境内にあり、田んぼの周囲から観覧できます。大きな会場ではないため、良い位置で見るには早めに到着しておくのが望ましいです。
- アクセス:南海鉄道・住吉大社駅から徒歩3分、阪堺線・住吉鳥居前駅からはすぐ目の前です。大阪市中心部(難波)から南海電車で約10分と、都市部にありながら伝統的な農耕神事を見られる場所です。
⛩️ 都市の中の稲作神事
住吉大社の御田植神事が特徴的なのは、大阪の市街地のど真ん中で行われる点です。住吉大社は難波から電車で約10分の場所にあり、周囲はビルや住宅に囲まれています。その都市の中に、田んぼがあり、6月になると苗が植えられ、秋には稲が実る。
日本の神社には、境内に御田を持ち、年間を通じて稲の成長を神事として見守るところがあります。住吉大社の御田植神事は、田植えの季節に行われる最も重要な神事の一つです。大阪観光の合間に住吉大社を訪れるだけでも、朱塗りの太鼓橋や本殿の「住吉造」と呼ばれる独特の建築を見ることができますが、6月14日であれば、加えて千年以上続く田植えの神事に立ち会うことができます。