『6月7日〜17日』将軍が見物した江戸の祭りが東京を巡る――山王祭と神幸祭

2年に1度、東京の都心が江戸時代の祭列で埋まる日があります。日枝神社(ひえじんじゃ / Hie Jinja)の山王祭(さんのうまつり / Sannou Matsuri)です。2026年は6月7日から17日までの11日間にわたって開催され、本年は「本祭(ほんまつり)」の年にあたるため、最大の見どころである「神幸祭(じんこうさい / Jinkousai)」が行われます。

👘 神幸祭――江戸の天下祭が東京を巡る

神幸祭は2026年6月12日(金)に行われます。御鳳輦(ごほうれん)2基、宮神輿1基、山車を中心に、王朝装束をまとった約500人の行列が東京都心を巡行します。

行列は午前中に日枝神社(赤坂)を出発し、永田町から麹町大通りを経て半蔵門へ向かいます。昼頃には皇居周辺から東京駅、日本橋を通過します。午後には銀座を経由して霞が関へ進み、再び日枝神社に戻ります。

この祭りは江戸時代に「天下祭(てんかまつり / Tenka Matsuri)」と呼ばれ、祭列が江戸城内に入ることを許された数少ない祭りの一つでした。将軍が城内から直接見物したという記録が残っています。神田祭とともに「江戸二大祭」に数えられ、隔年で交互に本祭を行う仕組みが現在も続いています。

神幸祭の鑑賞ポイント

  • 日程:2026年6月12日(金)。行列は午前中に赤坂を出発し、夕方に日枝神社へ帰還します。沿道での観覧は無料です。
  • おすすめ観覧場所:日本橋・銀座の通りは道幅が広く、行列を正面から撮影しやすいです。半蔵門付近では皇居の濠を背景にした写真を撮ることができます。
  • 服装と装束:行列の参加者は平安〜江戸時代の装束を着ています。鎧武者、稚児、巫女、神職など、時代ごとの衣装が混在する行列は、東京の高層ビル街との対比で独特の景観を作り出します。
  • 「本祭」と「陰祭」:山王祭は偶数年が本祭、奇数年が陰祭(かげまつり)です。陰祭の年には神幸祭は行われず、神社内の神事のみとなります。2026年は偶数年のため本祭です。

⛩️ 日枝神社と山王信仰

日枝神社は東京都千代田区永田町に位置し、国会議事堂の近くにあります。江戸城の鎮守(守り神)として徳川家康が崇敬し、以降の将軍家が代々祭礼を保護しました。祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ / Ooyamakui no Kami)で、山の神として農耕と産業の守護とされています。

現在の日枝神社は赤坂のオフィス街の一角にあり、外堀通りに面したエスカレーター付きの参道が特徴的です。周辺は国会議事堂、首相官邸、赤坂の繁華街が密集する地域で、平安装束の行列が現代の東京を歩く神幸祭の光景は、他の都市では見られないものです。

神幸祭は平日(金曜日)の開催です。日本橋や銀座は昼食時に多くの会社員が通りに出るため、オフィスワーカーとすれ違いながら王朝絵巻が進むという東京ならではの風景が生まれます。沿道での観覧は無料で、特別な予約は不要です。アクセスは東京メトロ溜池山王駅(日枝神社最寄り)、銀座駅、日本橋駅のいずれも行列ルート沿いにあります。